24年夏・ヨーロッパの電車撮影記18(マリアツェル鉄道探訪) [やまびこ(旅日記)]
24年夏・ヨーロッパの電車撮影記18(マリアツェル鉄道探訪)
さて、この日ウィーン近郊とも言ってもいいくらい(特急なら30分ほど)のSt. Poltenでとどまったのかというと、、、オーストリアのローカル鉄道界隈では欠かすことのできないMariazellerbahn(マリアツェル鉄道)があるからです。
マリアツェル鉄道(以下MzB)は、St. Poltenから南に向かい、シュタイアーマルク州の巡礼地マリアツェルの間を結ぶ762mmゲージのナロー鉄道で、25 Hz AC 6500 Vというめずらしい電化方式で全線電化されています。1920年にOBBの傘下に入って運行されていましたが、赤字問題から廃止が検討されたりしていました。2010年代に抜本的な改善を目指して、ほぼ州営の鉄道に衣替えして、施設の改善や車両の更新が行われ、現在の運航は基本的に平野部で1時間ごと、山間部は2時間おき。通勤時間帯は途中からは30分おきに電車が運転されるという便利さを達成しています。
さて、今回も自動販売機でマリアツェルまでのTages Karteを購入。TagesKarteにはSt, Polten市街のバス交通もついてました。(先日のVillachでもついてました。)
ザンクト・ペルテン駅に行きます。
駅前広場から1段高くなったところにホームが並んでおりまして、一番南側の1番線(だったかな?)に3両編成の電車が停車していました。
NÖVOG ET1 型電車
シュタドラー製の狭軌車両です
MzBでは週末限定で古典電気がけん引するÖtscherbär(エッシェルバー=クマさん列車というところですかね)という観光列車を走らせています。こいつをどこかで撮影したいと思ったわけです。
さて、土曜日のこととて発射を待つ間にハイキングのお客さんが続々と集まってきて完全に満員になってきました。すばらしい!
St. Poltenを出るとOBBの貨物基地をかすめてMzBの車両基地のあるSt.Pölten Alpen駅に来ました。件の古典電気が何両も留置してあります。1,2両動態保存しているのかと思ったら思った以上にたくさんの車両を保持しているのですね。後で調べたら、1911年から16両生産され、そのうち5両がMzBで現役、1両がどこかの博物館で動態保存されているようです。2013年まではほとんどこの機関車で運行されていたということ、さらに100年以上前の交流電気機関車ということで二重の驚きです。
しばらくの間、美しい農地や牧場の広がる丘陵地帯を縫って進んでゆきます。この辺りも絵になりそう。
Weinburugあたりからピーラッハ川の谷あいに入り、だんだん山が近づいてきます。Laubenbachmühle駅からはいよいよ山が迫ってきて、オメガループを繰り返して山登りにはいります。
2回のヘアピンカーブを回って3段目の斜面からは美しい山並みが見られました。ここから先は複雑な山中を険しい渓谷に沿って進んでゆきます。Puchenstubenを出ると長いトンネルを抜けてエルラウフ川の流域に入りまして、いくつかのダム湖の傍らを抜けてゆきました。Erlaufklause駅で大半のハイキング客が下車してゆきました。よいコースがあるんでしょうか。
Mariazellの一つ手前のGemeindealpe Mitterbachからは、高原のようなところを進んで、終点のMariazellに到着・・・・が、少し変?
これがマリアッエル駅?
たしか、石造りの壮麗な駅のはずですが、砂利道に横付けしたみたいな感じ???
これまた後でわかったのですが、現在マリアッエル駅までの最後の数百mは改良工事中で、ここが臨時駅として営業していたわけでした。
写真の右側には飛行場があるのですが、そこから取れないかと思ってたのですが、難しそう。あと2時間もするとÖtscherbärがやってきてしまいますので、どこか適当なところに戻りましょう。
というわけで、この電車に乗って先ほど通ったErlaufklause駅に戻ります。わからんけど。
Erlaufklause駅で通過する列車を撮影。
駅の前後は森に囲まれていて走行写真を撮れそうなところはありません。
これはまずい。一つ先のGemeindealpe Mitterbachまで歩いて行って、ダム湖沿いにポイントを探してみましょう。しばらく行動を歩いてゆくと、牧場の中につながるハイキングコースの道案内がありました。
ここに入ってゆくと、目の前の牧場の草むらの先をMzBのもう一つの看板列車パノラマエクスプレスが通過してゆくのが見えました。こりゃあ仕方ないね。
この先でハイキングコースは線路を渡ってゆきます。
ナローのゲージがわかりますでしょうか
続いてダム湖をつり橋で渡ります。
湖面が美しい
ハイキングコースが国道に合流する手前、美しい山が見えました。
エチャー山が美しい
少し先にMzBが通過するこ道橋が見えました。その傍らにS字カーブがありここで、エッシェルバー列車を待ち構えることにしました。
まずは、一本前の普通電車
続いてやってきたエッシェルバー列車
7号機がけん引してきました
かっこいいではないですか!
この煙は何???
煙の正体はわかりませんが、この先のGemeindealpe Mitterbach駅まで歩いてゆきます。
ほとんどの期間、エッシェルバー列車はここで折り返すようですので、折り返し準備中の列車を見れると思います。
途中の集落にあったスーパーでパンを買いサンドイッチを作ってもらいます。
さて駅に着きました。すでに機関車を付け替えて待機中。
魚腹台枠がごついです
この機関車の詳細はわかりませんが、C-Cの軸配置で、車体側に交流モーターを搭載しているようです。
続いてやってきた下り列車で再びMariazellに移動しました。
仮駅にやってきてみると・・・道路の反対側に・・・・
蒸気機関車が停車しているではないですか!
MariazellにはMuseumstramway Mariazellという系鉄道の博物館があり、どうやらMzBのMariazell駅の裏側にあるらしいのですが、現在は工事中の為見れるのかどうかわかりません。
列車が止まっているのでせっかくなので乗ってしまえってことで乗車して待ちます。4両編成ぐらいの小型客車が連結されているのですが、各車両に数人乗車する位の乗り方でした。
掲示してあった案内によると仮駅前から町中まで行って、いったん戻ってきてエララウフ湖というところまでの往復遊覧運転が土日祝1時間に1本運転されているらしい。
発車すると車掌がやってきて
や「きっぷをもってないので買いたい」
車「ここまでどうやって来たんだい?」
や「この切符できました。」 とTages Karteを見せると
車「OK,OK、これで乗れますよ!」
と改札してOKとなりました。
列車は駅裏の車庫のようなところの傍らを通り過ぎて、町をかすめて山の中に入ってゆきました。
急坂を上り始めたと思ったら停車。こ車掌が後ろで何か合図をしてバックをはじめました。お~、三角線で方向転換するのですね。
駅近くに戻ったところで下車。改装中の駅を覗いてみます。
乗ってきた線路はこんな感じ
ぐにゃぐにゃしてます
Mariazell駅は閉鎖中でした
仮駅のところまで戻ってきました。
エララウフ湖側にはループ線があって折り返してくるようです。
右が博物館の標準軌の線路、左がMzBの敷設中の線路です
車両の格と線路が全く逆転してるのが面白いですね。
最後に、エララウフ湖から戻ってくるSLゴルフ練習場の入り口付近から記録しました。
エララウフ湖から戻ってくる
かわいらしいSLです
ここには路面上喫官舎も保存されているようですが、今日の牽引機は別の機体のようです。
詳細は調べきれませんでした。
次の便の出発を見送ります。
博物館や修道院を見学する時間が無くなってしまいました。まあ、MzBの全線乗車もできてないので機会があればまた来ましょう。帰り道で「クマさん列車」を撮影しましょう。
電車に乗って、今度降り立ったのはオメガループの途中のWinterbach(ビンターバッハ)駅。
後ろの山にあるホテルの前に行きました。
ここからビンターバッハ駅を下に見ることができます。さらに1弾下の線路が見えました。
後追いで上ってくる電車を1カット
上ってゆく列車を1枚
もう少し上に上るとホテルの前庭の前に休憩できるベンチさらに牧草地端っこから上から降りてくる線路を見下ろせるポイントがありました。
上から降りてきた電車を1カット。
この後、Winterbach駅で停車したのち、下の線路に現れます。
さあて、やってくる「クマさん列車」を待ちましょう。
西日を浴びて下ってきます
美しいショットが取れたと思います。
次の列車に乗って、St. Poltenに戻りました。ちょうど、「クマさん列車」が基地に回送されてゆくところでした。
<続きます>
2024-10-21 14:52
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